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3 現行(2009年度現在)のカリキュラムと学生の現状について

3−1 開講科目の概要

前章で述べたとおり、現在本学で開講されている英語科目は以下の4科目である(※は筆者が担当)。

  • 総合英語:「読む・聞く・書く・話す」の4技能を総合的に訓練することを共通の目的とするが(*20) 、担当者によ り教材は異なり、テキストを用いずプリントや絵入りのカードを用いた基礎的事項の反復練習、海外事情に ついてのテキストを使用した講読と「シャドウイング」(*21)等※、TOEIC入門用のテキストを活用した4技能の 訓練、洋楽を教材とした授業が展開されている。
  • 英作文:担当者によりそれぞれ、日常生活からの話題、学校生活と社会問題※、「英語でe-mail」を扱うテキストを基にした英作文演習。
  • 英語コミュニケーション:ネイティブスピーカーによるリスニング・スピーキングの訓練。
  • 英語演習:科目名は共通(取得可能な単位は以下の内から一つだけ)だが内容はそれぞれ異なり、現在 は時事英語(新聞英語の読解※・テレビの英語ニュースを教材として利用)、TOEIC対策、旅行の英語 (後期開講)※、基礎英文法の徹底復習「ブートキャンプ」※を開講。

それぞれ半期・2単位で、履修年次の制限はない。

3−2 現行のカリキュラム・授業に対する意見

3−2−1 英語科教員からの意見

現在本学の英語科は専任教員1名(筆者)、非常勤講師4名(うちネイティブスピーカー1名)で構成されている。

授業を担当しての意見については折々にヒアリングを行って来たが、共通する意見としては

  • 1クラスの人数が多すぎる。(*22)
  • クラス内で学力が二極化しており、授業レベルの設定に苦労する。
  • (特に基礎レベルの復習を必要とする学生については)半期では時間が不足である。
  • 専攻別にクラス編成してくれれば、より学生の興味を惹く教材を用意できる。

等が挙げられた。

3−2−2 英語科以外の教員からの意見

英語カリキュラムの改訂について、筆者はデザイン教育研究センターでは学科会議の席上や教学課スタッフと合同で開催した「初年次教育研究会」で、教員全体としては教授会と同時開催されるFD研究会の場等で、報告や意見交換の場を持つと共に、折々に専任教員諸氏と議論を重ねてきた。

1章に述べた「デザイナー/アーティストとしての『引き出し』を増やす」「『飯のタネ』にもなる」との筆者の意見に「総論として」正面から異議申し立てを受けることは皆無であったが、「各論として」どこまでやるべきか、できるかについての意見の温度差は、当該教員の専門と所属学科に大きく影響される。すなわち、卒業後の進路として一般企業が強く想定される分野においては、就職活動時に学生の語学力が取り沙汰される場面も多いため教員の関心は高く、そうでない分野においては低くなりがちである。

そのような中で複数の教員から共通して挙げられた意見としては、

  • (履修年次が指定されていない)現行カリキュラムでは、1・2年次のうちに学生が語学科目の必要単位をとり尽くしてしまい、その後ブランクができてしまう。
  • 結果として就職活動時に壁に突き当たる学生を散見するので、TOEIC対策など、学生が就職活動を意識してから取れる科目を開講してほしい。(*23)

などが多かった。

3−2−3 学生からの意見

1章で紹介した小講義を行った「スタディスキルズ」では、教学課が行ったアンケート(授業最終回に実施:回収数167)において、同講義の「内容は興味深いものだったか」との質問の回答は「強くそう思う」7%、「そう思う」45%、「どちらとも言えない」32%、「そうは思わない」9%、「全く思わない」7%、また「新しい知識や考え方が身についたか」との質問にはそれぞれ6%、42%、34%、12%、6%であった。要約すれば「語学上達に王道なし、各自奮起せよ」と檄を飛ばした内容であったから、「新味に乏しい」との評価がなされたことはある意味当然であるが、それでも過半数の学生が「芸工大で英語(言葉)を学ぶこと」の意味を真剣に考えたことの意義は大きい。

日頃筆者の授業を取っていない学生からの意見も収集するべく、小講義後に(教学課のアンケートとは別に)当該講義感想並びに「芸工大の英語」全体について自由記述でコメントを求めた(講義当日に回収:回収数168)。

掲載字数の制約上すべてを紹介することはできないが、その結果も「自己診断テスト」結果や教員の経験論的所見、そして上記の教学課アンケートの結果と符合するものであった。

すなわち、授業のレベルや進度については「速すぎる/難しすぎる」と「遅すぎる/易しすぎる」という意見が、また、今後受けたい授業のレベルについても「中学レベルから丁寧にやり直す授業がほしい」と「基礎はもういい、全部英語でやる授業をやってほしい」という意見が混在する結果となり、「テストまでしたならクラス分けもやってほしい」とのコメントも見られた。

取りたい授業のタイプとしては、「映画・音楽を使った授業」の希望が多かったが、「中学英文法から復習する授業」と「TOEIC対策」、また「デザイン・アートの英語」や「海外旅行で使える英語」を希望するコメントも散見された。

「英語は苦手である」と認めつつも、「(『自己診断テスト』の結果と小講義で突きつけられた現実を鑑みるに)やらなければいけないことはわかっている」とし、だが「(実習で)忙しくて英語の勉強に時間など取れない」と答えつつ「語学で取れる単位が少なすぎるので増やしてほしい」との、一見矛盾した回答も複数寄せられた(次章参照)。

また、小講義の感想として「日本語も頑張らなければいけないと思った」との感想も複数あった。


 

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シラバスの「授業目的」も共通化されている。。
耳から聞こえてくる音声に遅れないようにできるだけ即座に声に出して繰り返しながらそっとついていく」訓練のこと。門田修平『シャドーイングと音読の科学』コスモピア、2007年、p.11.
留学生限定の日本語を除く「リテラシー(語学)」科目(2−4参照)については「予備登録」を行い、希望者が多い場合には抽選を実施している。
キャリアサポートの一環として、「TOEIC予備校」講師による対策講座が行われている(キャリアセンター主催・有償)。