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むすびにかえて

本稿の目的は、芸術系大学における「図書館」の情報発信について、他機関の先駆的事例を概観することでその形態の多様さを確認するとともに、神戸芸術工科大学の新しい教育研究活動の実践である情報サイト「新図書館ラボ」の事例を通じて、情報環境および学習形態が複雑化した現代社会において芸術系大学の「図書館」がいかなる役割を果たすことができるのかを分析、考察することにあった。

第1章において先進的な事例と捉えられる情報発信の諸形態をまず概観しつつその多様性を確認し、それを踏まえた上で第2章において実践事例としての情報サイト「新図書館ラボ」に焦点を当てた。設立経緯や運営目的、サイト構成等の分析を通じて、特徴的なコンテンツの事例として、情報プラットフォームとしての他のアーカイブとの連動や講義の成果発表の場としての機能も有していることを確認した。

デジタル・アーカイブやウェブサイトという仮想の「図書館」を前にしたとき、現実の図書館よりも提供できるコンテンツの自由度が高まるため、自分たちが何をもって学生の教育を支援すべきか、という課題は、より一層鮮明なものとなる。「図書館」と来館者(ユーザー)の関係性を常に意識するウェブサイトのコンテンツ・マネージメントは、すでに固定化している図書館の利用形態(ないし図書館像)を再考するよい機会となろう。そこで生じるコミュニケーションをいかにデザインするか、という課題が、今後の図書館を考察する上で重要となるに違いない。

注・引用文献

*1―
同トークセッションは都築響一、幅允孝、江口宏志、松本弦人、財津正人、桂英史をゲストに全6回で企画された。
*2―
リビング・ライブラリーは世界各国で開催されているが、国内では3回開催されている。下記サイトを参照のこと。
http://living-library.jp/index.html(最終アクセス日:2009年7月25日)
*3―
桂英史「図書館建築のデザイン思想」(『図書館雑誌』第102巻第6号、日本図書館協会、2008年)、371頁。
*4―
「国立国会図書館60周年を迎えるに当たってのビジョン」については、次のサイトを参照のこと。
http://www.ndl.go.jp/jp/aboutus/vision_60th.html(最終アクセス日:2009年7月25日)
*5―
カレントアウェアネスの情報発信形態の変化については下記リンクを参照のこと。
http://current.ndl.go.jp/ca_no300_history(最終アクセス日:2009年7月25日)
*6―
http://johokan.kyoto-seika.ac.jp/modules/fromkyoto/index.php (最終アクセス日:2009年7月25日)
*7―
東北芸術工科大学「BOLG CENTER」http://www.tuad.ac.jp/blogcenter/ (最終アクセス日:2009年7月25日)、
京都精華大学「seika bookmark」 http://www.kyoto-seika.ac.jp/bookmark/(最終アクセス日:2009年7月25日)
*8―
http://www.e-dessin.com/(最終アクセス日:2009年7月25日)
*9―
投稿作品のコメントに「高校時代(47年前)の授業で、選択でデッサンをとって以来の挑戦でした」と記されている。
http://www.e-dessin.com/subject/59529072/140/(最終アクセス日:2009年7月25日)
*10―
http://www.lib.meiji.ac.jp/news/detail/news_disp00000573.html(最終アクセス日:2009年7月25日)
*11―
鈴木明・港千尋・多摩美術大学図書館ブックプロジェクト『つくる図書館をつくる−伊東豊雄と多摩美術大学の実験』多摩美術大学、2007年、154頁。
*12―
同館が所蔵するエル・リシツキー関連資料が、2003年に韓国国立現代美術館へと貸し出されている。
*13―
『KALEO』第1号、武蔵野美術大学美術資料図書館、2004年、1頁。
*14―
http://www.web-kaleo.com/(最終アクセス日:2009年7月25日)
*15―
島本浣「『KINO』創刊によせて」(『KINO』第1号、京都精華大学情報館、2006年、182頁。)
*16―
http://shintoshokanlab.kobe-du.ac.jp/(最終アクセス日:2009年7月25日)
*17―
『楽人』第32号(谷岡学園法人学部総務課、2008年)、4頁。
*18―
http://www.kobe-du.ac.jp/details.php?i=1806&u=%2Findex.html(最終アクセス日:2009年7月25日)
*19―
同研究会は新図書館構想ワーキングが立ち上げたもう一つの実践事例であるが、紙幅の関係もあり後稿を俟ちたい。

    

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