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4.旧北小協議会と東はりま特別支援学校との協働体制と活動

兵庫県教育委員会では、「兵庫県特別支援教育推進計画(平成19年3月)」の推進計画の一つとして「地域単位での広域支援ネットワークの整備」を掲げ、5年計画を策定している。この「地域単位での広域支援ネットワークの整備」を実現する際に、特別支援学校だけでは限界が予想される。それは、特別支援学校では日常的な特別支援教育での人材不足(児童生徒6-7名の学級に3名の教諭が必要)、「地域特別支援連携協議会の設置」を目標とした特別支援教育コーディネーターの設置などの特別支援教育の充実への注力が必要であり、「地域単位での広域支援ネットワークの整備」へのノウハウ蓄積と実現には時間がかかると予想されるからである。そこで、地域の側で地域のまちづくり組織を中心としたネットワークを築き、その上で特別支援学校との協働体制を構築することが考えられる。

また旧北小協議会では、活動の柱の一つに「障害福祉」を掲げ、バリアフリーのまちづくりの実践による地域福祉環境の向上を目指している。特に障害福祉環境については、具体的な障害福祉問題を示す可能性のある東はりま特別支援学校と協働することにより、福祉環境向上の具体的内容の明確化と質の向上が期待される。さらに、活動の柱の「地域交流」は、地域の既存の団体や企業、個人等をつなげ交流するだけではなく、協力関係をもつネットワークの構築を目指しており、人材バンクとして機能することも視野に入れている。

これらの状況から、平成21年度に新設された東はりま特別支援学校と旧北小協議会が「地域単位での広域支援ネットワークの整備」を目標に協力関係を築き、協働体制による地域づくり活動を行うことが可能であり、協働により双方の活動の実効性を高めることができると考えられた。そして、東はりま特別支援学校は平成19年度の準備期間で、学校長・教頭(当時は設立準備室長他)が旧北小協議会会議に出席し、開校後の協働体制の構築について意思表明を行った。また、東はりま特別支援学校も旧北小協議会の構成メンバーに加わり、旧北小協議会の会議には毎回出席することが確認された。これは、「(仮称)交流センター」が学校敷地内に建つ学校施設となるため、交流センターの管理責任者である学校長と管理運営を委託する旧北小協議会との密接な連携が必要となるからでもある。東はりま特別支援学校と旧北小協議会の協働体制のイメージを図17に示す。

図17.協働体制のイメージ

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図17.協働体制のイメージ

特別支援学校と旧北小協議会の協働による最初の活動として、平成20年9月に「地域再発見のまち歩き(以下:まち歩き)」を行った。まち歩きは「地域再発見」という名称の通り、旧北小協議会の地域交流の活動の一環として、地域のことをもう一度見直して地域づくりにつなげることが意図されている。しかし、第1回目は東はりま特別支援学校が開校する直前であるため、高等部の一部生徒が自力通学をする通学路の候補ルートを点検し、通学路決定の基礎情報の収集と必要があれば道路整備につなげることを目的とした。

まち歩き当日は、約20名の参加者があり、旧北小学校から最寄りの鉄道駅(JR土山駅、山陽電車播磨町駅)までを往復した(写真10)。旧北小学校帰着後、歩いた道を参加者で振り返り危険箇所や改善点の共有を行った(写真11〜13)。

写真10.まち歩きの風景

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写真10.まち歩きの風景

写真11.まち歩きの情報共有1

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写真11.まち歩きの情報共有1


写真12.まち歩きの情報共有2

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写真12.まち歩きの情報共有2

写真13.まち歩きの情報共有3

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写真13.まち歩きの情報共有3


さらに旧北小協議会と東はりま特別支援学校の共催で平成21年3月に、東はりま特別支援学校への入学予定者が実際に通学する時間帯に通学路を歩き、自力通学の練習を行う「自力通学練習」を実施した(写真14)。自力通学練習では、第1回まち歩きで得た通学路候補の情報を基に沿道の商店や民家への協力を求めるチラシを作成し、チラシを配布しながら通学路候補となる山陽電車播磨町駅から旧北小学校までを東はりま特別支援学校の教諭とともに歩いた。実際の通学する時間帯のため、通学時間の駅利用者への周知を行い、自動車の通行状況の把握や、入学予定者が通学環境への順応ができるように実施した。また、播磨町内の学校支援ボランティアの協力も得られ、学校支援ボランティアも同行し、見守りが必要な交差点等の把握も行った(写真15)。

写真14.自力通学練習の様子

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写真14.自力通学練習の様子

写真15.自力通学練習の交差点の様子

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写真15.自力通学練習の交差点の様子


特別支援学校の開校前に行ったまち歩きと自力通学練習により、次のような効果があったと考えられる。1)特別支援学校への入学予定者と保護者が、事前に通学路を通学時間帯に歩くことによる安心感の醸成。2)特別支援学校の教諭とともに歩いたことによる東はりま特別支援学校としての通学路を把握。3)学校支援ボランティアとともに歩き、駅利用者や沿道商店等に周知を行うことで、地域のネットワークづくりの一助。

このような旧北小協議会と東はりま特別支援学校との協働による活動が実施されるようになり、新たな協働体制が構築された。

    

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