報告|REPORT

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3−2  調査結果の考察

スウェーデンでは、記憶障害や認知症に対して多様な取り組みが行われ始めていた。電話機やリモコンなどのテクニカルエイドの開発が盛んであり、街中の電気店の店頭にも置かれていた。キッチンストーブタイマーも宿泊したホテルのキッチンにも備えられており、安全性や省エネルギーのためのものとして受け入れられているのではないだろうか。キッチンストーブタイマーはいくつかの機種が製品化されており、タイマーだけでなく、熱感知センサーが組み込まれているものもある。これらは住宅改造支援法に基づき、作業療法士等が必要と判断すると地域の住宅改修事業者が個人の状態に合わせて設置工事と設定を行っている。費用は地方自体が全額を負担し、利用者には無償で提供されている*6

日時や曜日、気象などを知らせる大きなカレンダー時計も重要な製品と位置付けられている。冬季には外気温が氷点下を超える気象条件から、適切な衣服で外出することは生命に関わる重要なことである*7

忘れ物へ注意を向けたり、行為の円滑かつ正しい遂行を支援するシステム開発は端緒についたばかりのようであり、臨床評価を受けつつシステム改善が行われているようである。研究チームの他のメンバーはストックホルム郊外のモデルハウスを見学したが、テンタクルスの各ユニットはクララメラとは異なり無線でコントロールされていた。

スウェーデンと日本とでは社会サービスの質と量の違いや、市民意識の違いが大きいものの、自立を促すシステムという発想は、自動化を進めてきた日本にとっては新鮮な視点であり、HAシステムの応用分野として重要な方向性を示している。


 

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sofia Starkhammar and Louise Nygård: Using a timer device for the stove: Experiences of older adults with memory impairment or dementia and their families, Technology and Disability 20 (2008) 179-191, IOS Press
安田清:もの忘れを補うモノたち、訪問看護と介護 Vol.13 No.1 p56-61、200