おわりに

神戸ビエンナーレ作品「群」(写真33)を発表したことにより、今後の課題を得ることができた。

第一に、現場に対して如何に柔軟に取り組むかによって、最終段階の作品が変化し、高い質を得ることができるかを認識した。コンセプトと模型による作品配置が決定した後でも、頭の中で構想するイメージと現場の作業は違い、最終的には大きな差異につながる。初めのイメージを現場に合わせ、変えていく柔軟性を必要とした。

第二に、ホワイトキューブのような室内に展示することとは違い、野外展では作品の耐久性と作品を触ったりできるような鑑賞者の参加によって成立するインタラクティブアートが求められた。今回の展示では、芸術関係者だけでなく、一般の方が最も多く、作品は観るものだけではなく感触で楽しむ人が多く見受けられた。このことから芸術と社会の対峙とは、作家と鑑賞者の共通体験を通して芸術に出会い語り合うことで、それぞれの感じ方や考えに触れて視界を広げていくことではないかと考える。

ワークショップでは、広い層の方々に作品制作の体験を共有することで見える共通世界の認識をし、コミュニケーションの場を提供できた。作者と参加者が互いに関わりあうことで今回のテーマである「出会い」を体験し、互いの内的活動を成立し得たのだと感じる。

今回の神戸ビエンナーレの全体的な評価として、さまざまな問題点や課題点が見られた。しかしながら、これらを解消しつつ、次回の準備に取りかかることが出来ている。第一回目は次に繋げることが出来たため、神戸の芸術文化を発展させ、活性化を促したのではなかろうか。

作者は、神戸ビエンナーレの作品を見直すとともに「私」をもう一度、把握できたと推察している。更には、本文の著述によって、作品の今後の課題を振り返ることができた。今回の課題と学び得たことを今後の作品制作に生かしていき、芸術表現に励み続けていくことを希求していく。


写真33 神戸ビエンナーレ作品「群」

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写真33 神戸ビエンナーレ作品「群」

作品『群』協力
【協賛:神戸ビエンナーレ組織委員会、神戸芸術工科大学】
【協力:神戸芸術工科大学造形表現学科】
制作協力/高澤菜穂、山下豊、笠井穣二、真鍋雄三、伊藤佳紀、國久真有、畠岡孝太、山本雅也、小川あかり、駒水綾、藤井麗、肥田昌明、伊藤貴史、白玖欣宏、 造形表現学科教員一同

注・引用文献

*1―
神戸ビエンナーレ組織委員会・神戸市[神戸ビエンナーレ2007《基本計画書》]、神戸ビエンナーレ組織委員会著、2006年、p2参照
*2―
『美術手帖』インスタレーション、美術出版社、1997年、P.48参照
*3―
谷川渥/小澤基弘/渡辺晃一『絵画の教科書』日本文教出版、2001年、p114-p115参照
 

[写真・図版資料]
・写真2,3 2007年7月21日(土)プレイベントワークショップ広告看板より
 神戸ビエンナーレ組織委員会作成
・写真1、写真4-写真33 神戸ビエンナーレ会場にて作者撮影による
・図5 2007年7月21日(土)プレイベントワークショップ広告看板より
 神戸ビエンナーレ組織委員会作成


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