論文|THESIS

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チタンの陽極酸化法による色彩付加の可能性

Preliminary Research on the Possibility of Color Addition by the Anodizing Method for Titanium Substrates


金 鍾其

Kim, Jong Ki Assistant, Department of Product Design, School of Design


小倉 繁太郎

OGURA, Shigetaro Professor, Graduate School of Art and Design





1.はじめに

有史以来70種類に上る金属元素が発見され、長い時間にわたる経験によってまず金属自体が精錬され、各金属に最も相応しい応用が主に試行錯誤によって試みられてきた。純粋な金属が精錬されてくると、ひき続き純粋な金属同士の合金が作り出され、金属の使用は飛躍的に増大し、用途も広がった。使用可能な金属の広がりと各種適用は文明の発展を考える際に一種の尺度となる視点であり、歴史上石器から青銅器、青銅器から鉄、鉄からシリコンなどそれまで栄えていた文明が新らしい金属の出現で文明自体が取って代わられたのは枚挙に暇がないほどである。一方、上記した金属を使用するほとんどの場合で、金属は酸化したり他の化学物質により容易に腐食され、短時間に変質し、その使用に耐えられなくなる欠点があることも知られるようになった。そこで必然的に腐食を防ぐための防食技術や、より腐食しにくい新素材が絶え間なく開発されてきた。特に最近の航空機や宇宙産業などで耐熱性や耐圧性などに優れた素材が種々開発されているのも目新しいニュ−スである*1。すなわち、チタニウムやジルコニウムなどの金属が、注目されている素材の代表的な例である。

特にチタニウム(今後チタンと略す)に関しては、単に防食技術の発展だけでなく、金属表面に塗料とは異なる色彩あるいは光沢などを付加させ、プロダクトデザイン上からも一般の民生市場に新たな金属製品の用途を持たせる試みが伺えるようになって来た。さらに光触媒としてチタン金属に全く新規な機能を付加させられることも判ってきた*2

本研究では、さらに金属製品に新しい造形的な可能性を付加させるために、金属の中でも後述するような優れた性質を有しているチタン素材に着目し、表面処理の一手法である陽極酸化法を用いて、チタンに色彩効果を加味した新しい金属製品、具体的には金工作品、を制作するための基礎技術の確立を目指して検討した。最後に本手法を用いて作品の試作を行ったので報告する。


 

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日本チタン協会:現場で生かす金属材料シリ−ズ;チタン(工業調査会,2007)
河本:光触媒用酸化チタン、;橋本・藤嶋監修:図解・光触媒のすべて(工業調査会,2003)pp.60-62