5.おわりに

大学を核とした地場産地とのネットワークシステムの構築を試行するため、兵庫県下の地場産地に出向き調査を行った。調査を行った地場産業の中で、特に淡路瓦産業においては、本学学生と産地が連携し、瓦素材を用いた雑貨などの試作品を産地にて展示発表した。これら一連の過程は、地場産業と大学との継続的な連携のケーススタディーとなり得る。また、西脇市播州織では、以前から継続している産学連携の実績により、新製品の開発(播州ジーンズ)につながった。今後の展開では兵庫県内の他の産地との連携をも期待できる。

全国4大学のデザイン系大学における地場産業との共同研究及び連携事例の調査の結果、富山大学芸術文化学部では、文部科学省より2004年に「特色GP」、2005年に「現代GP」の採択を受け、産学連携を積極的に取り込んだ教育を実践している。また、九州大学芸術工学部では、大川家具産地とのJAPANブランド支援事業による家具ブランド「SAJICA」において大学がコーディネートする体制が産官学の連携として、効果的に機能していると思われた。その他2大学と地場産業の連携についても地元行政が積極的に連携事業を支援しており、バックアップする体制が整ってきている。

ネットワークシステム構築を実践するためにWEBサイトに関するシステムの設計を行ったが、現時点では公開出来なかった。しかし、本研究による成果からも、兵庫県及び全国の地場産業、デザイン系大学とのネットワークシステムは、有効なWEBサイトからの情報提供の手段となる。今後もWEBサイトでの実験を繰り返しながら継続研究する計画である。

注・引用文献

*1―
「GP」とは、文部科学省が行っている各大学などでの教育改革の取組の促進を目的とした支援プログラムである。大学等が実施する教育改革の中から、優れた取組を選び、支援するとともに、その取組について広く社会に情報提供を行っている。この「優れた取組」を「Good Practice」と呼んでおり、「特色ある大学教育支援プログラム(特色GP)」、「現代的教育ニーズ取組支援プログラム(現代GP)」を実施している。

参考文献

(1)地場産業実態調査報告書 平成18年度版 兵庫県の地場産業 

兵庫県産業労働部 産業振興局工業振興課

(2)長岡造形大学デザイン研究開発センター 

平成15年〜18年度活動報告書

(3)日経デザイン2月号 日経BP社編  2007年

(4)JAPANブランド育成支援事業 大川家具ブランド確立事業報告書

大川商工会議所編  平成20年2月


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