3 制作のプロセス

 県民創作オペラ『魔法の靴』上演まで約一年間、全体会議や担当別の度重なる打ち合わせ、プロジェクト参加希望者の会場見学、舞台衣装見聞、学内ではプロジェクト参加者とのミーティングも必要に応じて行った(写真1)(写真2)(写真3) 。

写真1 兵庫県立芸術文化センター見学

写真1 兵庫県立芸術文化センター見学

写真3 出演者、スタッフ顔合わ(兵庫県立芸術文化センター)

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写真3 出演者、スタッフ顔合わせ(兵庫県立芸術文化センター)

写真2 スタッフミーティング(宝塚)

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写真2 スタッフミーティング(宝塚)


3−1 衣装デザインと使用素材の打ち合わせ 

このプロジェクトでの衣装デザインは、外部のプロの衣装デザイナーが担当。衣装デザインの意図、制作手法、使用素材など外部スタッフと詳細にコミュニケーションをとりながら遂行していった(図1)(図2)(図3)(図4)(図5)(図6)(図7)(図8)(図9)(図10)(図11)(図12)。

図1 エラ(ウェディング)

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図1 エラ(ウェディング)

図3 妖精の女王

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図3 妖精の女王

図2 エラ(普段着)

図2 エラ(普段着)



図4 叔母(舞踏会)

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図4 叔母(舞踏会)

図6 ポーシャ(舞踏会)

図6 ポーシャ(舞踏会)

図5 ジョイ(舞踏会)

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図5 ジョイ(舞踏会)



図7 叔母(普段着)

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図7 叔母(普段着)

図9 ポーシャ(普段着)

図9 ポーシャ(普段着)

図8 ジョイ(普段着)

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図8 ジョイ(普段着)



図10 王妃

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図10 王妃

図12 女官(使用配色)

図12 女官(使用配色)

図11 女官

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図11 女官


3−2 ベースパターンの作成 

8月3日、夏休みに入っているが、卒業生・研究生もスタッフに加わり、婦人服JIS(日本工業規格)の寸法を基準に、9号サイズをベースに11号、13号にグレーディングし、身頃原型の作成を行った(写真4)(写真5) 。

写真4 パターン制作1(本学1Fスタジオ)

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写真4 パターン制作1(本学1Fスタジオ)

写真5 パターン制作2(本学1Fスタジオ)

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写真5 パターン制作2(本学1Fスタジオ)


3−3 パニエパターンの作成と縫製

スカートは、膨らませたシルエットを表現するため、アンダー・スカートのパターンを作った。サラン*1 を土台にチュールを何段、何重にも重ねながらボリュームを出していった (写真6) (写真7) (写真8) 。

写真6 パニエ チュール裁断(本学1Fスタジオ)

写真6 パニエ チュール裁断(本学1Fスタジオ)

写真8 パニエはグループ縫製(本学1Fスタジオ)

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写真8 パニエはグループ縫製(本学1Fスタジオ)

写真7 パニエ組み立て(本学1Fスタジオ)

写真7 パニエ組み立て(本学1Fスタジオ)


3−4 採寸 

JISを基準に作成した各サイズの原型を使用した。しかし衣服制作には着用者の採寸は不可欠であることから、執筆者が採寸法の指導を行った (写真9)(写真10) 。

写真9 採寸・エラ(長田区役所)

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写真9 採寸・エラ(長田区役所)

写真10 採寸(長田区役所)

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写真10 採寸(長田区役所)


3−5 トワル組み立て

平面裁断手法で作成したパターンで各アイテムのトワル*2 組みを行った。
シンデレラ(ウェディングドレス)、妖精の女王の衣装は、デザイン画をイメージに直ちにボディでトワルを組み立てていった。立体的にシルエットが確認できバランスも取りやすい立体裁断手法で取り組んだ。舞台衣装は全体的にボリュームがあるので、トワルの組み立ては2〜3名で対応した(写真11)(写真12)(写真13)(写真14)(写真15)。

写真11 先輩のトワルチェック(本学1Fスタジオ)

写真11 先輩のトワルチェック(本学1Fスタジオ)

写真13 ウェディング トワル組修正1(本学1Fスタジオ)

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写真13 ウェディング トワル組修正1(本学1Fスタジオ)

写真12 トワル組み立て(本学1Fスタジオ)

写真12 トワル組み立て(本学1Fスタジオ)



写真14 ウェディング トワル組修正2(本学1Fスタジオ)

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写真14 ウェディング トワル組修正2(本学1Fスタジオ)

写真15 妖精の女王 トワル組み立て(本学1Fスタジオ)

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写真15 妖精の女王 トワル組み立て(本学1Fスタジオ)


3−6 仮縫い 

一度に仮縫いは困難である。出演者のスケジュールと調整しながら仮縫いの日を設定した。1回目は夏休み終了直後9月29日、モデルに学内に来ていただきトワルで仮縫いを開始。舞台衣装という特殊な衣装を本格的に制作するのは、学生たちにとっては初めての挑戦である。デザイナーや芸術監督たちを交えての入念なチェック。シルエット、ボリュームなどを考慮し、舞台上で出演者が衣装でいかに大きく見せられるか、また、顔を小さく見せるには胸元のディティールをどう工夫すればよいか、素早く着せ替えるにはどういう始末がいいか等々。細かな心使いで数えきれない箇所を検討した(写真16)(写真17)(写真18)(写真19)(写真20)(写真21)(写真22)(写真23)(写真24) (写真25)(写真26)(写真27) (写真28)(写真29)(写真30) (写真31) (写真32) (写真33)。

写真16 女官 フィッティングチェック(本学1Fスタジオ)

写真16 女官 フィッティングチェック(本学1Fスタジオ)

写真18 トワルフィッティング風景(本学1Fスタジオ)

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写真18 トワルフィッティング風景(本学1Fスタジオ)

写真17 女官 トワルフィッティング(本学1Fスタジオ)

写真17 女官 トワルフィッティング(本学1Fスタジオ)



写真19 ウェディング トワルフィッティング1(本学1Fスタジオ)

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写真19 ウェディング トワルフィッティング1(本学1Fスタジオ)

写真21 ウェディング トワルフィッティング(本学1Fスタジオ)

写真21 ウェディング トワルフィッティング(本学1Fスタジオ)

写真20 ウェディング トワルフィッティング2(本学1Fスタジオ)

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写真20 ウェディング トワルフィッティング2(本学1Fスタジオ)



写真22 エラ普段着 フィッティング(本学1Fスタジオ)

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写真22 エラ普段着 フィッティング(本学1Fスタジオ)

写真24 王妃 フィッティング後ろ(本学1Fスタジオ)

写真24 王妃 フィッティング後ろ(本学1Fスタジオ)

写真23 王妃 フィッティング前(本学1Fスタジオ)

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写真23 王妃 フィッティング前(本学1Fスタジオ)



写真25 女官 フィッティング(本学1Fスタジオ)

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写真25 女官 フィッティング(本学1Fスタジオ)

写真27 妖精の女王 裾調整(本学1Fスタジオ)

写真27 妖精の女王 裾調整(本学1Fスタジオ)

妖精の女王 フィッティング(本学1Fスタジオ)

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写真26 妖精の女王 フィッティング(本学1Fスタジオ)



写真28 フィッティング修正箇所チェック(安田研究室)

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写真28 フィッティング修正箇所チェック(安田研究室)

写真30 ジョイ フィッティング(普段着)(本学1Fスタジオ)

写真30 ジョイ フィッティング(普段着)(本学1Fスタジオ)

写真29 ジョイ フィッティング(舞踏会)(本学1Fスタジオ)

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写真29 ジョイ フィッティング(舞踏会)(本学1Fスタジオ)



写真31 叔母 フィッティング(舞踏会)(本学1Fスタジオ)

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写真31 叔母 フィッティング(舞踏会)(本学1Fスタジオ)

写真33 素材、色のチェック(本学1Fスタジオ)

写真33 素材、色のチェック(本学1Fスタジオ)

写真32 叔母 フィッティング(普段着)(本学1Fスタジオ)

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写真32 叔母 フィッティング(普段着)(本学1Fスタジオ)


3−7 パターン修正

ベースパターンを基に、採寸を参考に、トワルの仮縫いを行った。しかし、パニエのシルエットやボリュームに相当な修正があり、改めて舞台衣装の制作の難しさを思い知った。修正にも時間がかかってしまい、後までスケジュール調整に響いてしまい、今後の課題となった。

3−8 素材と副素材 

オペラという舞台上で、出演者の役柄を表現する衣装の素材を選定するのは時間のかかることである。選定はデザイン画の打ち合わせ後、デザイナーとともに大阪にて素材を収集した。購入は、パターン修正後必要用尺を発注、スカートなどひとつのパターン容量が大きく想像以上に用尺が必要となった。それぞれの使用箇所をパートにわけ、素材帳を作った。これが後々にも大変役立った。また、副素材を用いることにより、より一層の役柄に近づいた(図13)(図14)(写真34)。

図13 素材帳

図13 素材帳

写真34 使用素材のチェック(本学1Fスタジオ)

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写真34 使用素材のチェック(本学1Fスタジオ)

図14 使用素材

図14 使用素材


3−9 裁断、縫製

学生たちは、授業の課題制作の合間をぬって、衣装制作を行った。困難の中で責任を持ち、トワルと素材の風合いの違いも認識しながら裁断、縫製を行った。また、普段、課題制作で触れることができない高価な生地や数々の副素材を使用した。出演者が歌い、ダンスをするための動きやすい衣装制作も体験できた (写真35)(写真36)(写真37)(写真38)(写真39) (写真40)(写真41)(写真42)(写真43)(写真44) (写真45)(写真46)(写真47)(写真48)(写真49) (写真50)(写真51)(写真52)(写真53)。

写真35 女官 スカート裁断(本学1Fスタジオ)

写真35 女官 スカート裁断(本学1Fスタジオ)

写真37 縫製(叔母ブラウス)(本学1Fスタジオ)

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写真37 縫製(叔母ブラウス)(本学1Fスタジオ)

写真36 縫製(ポーシャブラウス)(本学1Fスタジオ)

写真36 縫製(ポーシャブラウス)(本学1Fスタジオ)



写真38 アイロン掛け(ウェディング)(本学1Fスタジオ)

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写真38 アイロン掛け(ウェディング)(本学1Fスタジオ)

写真40 縫製(ポーシャ ブラウス)(本学1Fスタジオ)

写真40 縫製(ポーシャ ブラウス)(本学1Fスタジオ)

写真39 縫製(ジョイ ブラウス)(本学1Fスタジオ)

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写真39 縫製(ジョイ ブラウス)(本学1Fスタジオ)



写真41 ウェディング プリーツ作り(本学1Fスタジオ)

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写真41 ウェディング プリーツ作り(本学1Fスタジオ)

写真43 ウェディング レース裏打ち(本学1Fスタジオ)

写真43 ウェディング レース裏打ち(本学1Fスタジオ)

写真42 ブラウス、タスキ縫製(本学1Fスタジオ)

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写真42 ブラウス、タスキ縫製(本学1Fスタジオ)



写真44 ウェディング 衿調整(本学1Fスタジオ)

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写真44 ウェディング 衿調整(本学1Fスタジオ)

写真46 タスキ作り(本学1Fスタジオ)

写真46 タスキ作り(本学1Fスタジオ)

写真45 ウェディングのパニエ仕上げ(本学1Fスタジオ)

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写真45 ウェディングのパニエ仕上げ(本学1Fスタジオ)



写真47 ウェディング 身頃縫製(本学1Fスタジオ)

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写真47 ウェディング 身頃縫製(本学1Fスタジオ)

写真49 まとめ1(本学1Fスタジオ)

写真49 まとめ1(本学1Fスタジオ)

写真48 マントー縫製(本学1Fスタジオ)

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写真48 マントー縫製(本学1Fスタジオ)



写真50 まとめ2(本学1Fスタジオ)

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写真50 まとめ2(本学1Fスタジオ)

写真52 妖精の女王 手分けして作業(本学1Fスタジオ)

写真52 妖精の女王 手分けして作業(本学1Fスタジオ)

写真51 まとめ3(本学1Fスタジオ)

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写真51 まとめ3(本学1Fスタジオ)



写真53 1年生が手法の勉強(本学1Fスタジオ)

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写真53 1年生が手法の勉強(本学1Fスタジオ)

3−10 衣装搬入と再調整

2008年1月8日、12日両日に衣装を搬入したが、微調整で済むもの、大幅に修正するものなどが発生し、持ち帰って修正した(写真54) (写真55)(写真56)。

写真54 ウェディング 再チェック1(本学1Fスタジオ)

写真54 ウェディング 再チェック1(本学1Fスタジオ)

写真56 ボディで再組み立て本学1Fスタジオ)

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写真56 ボディで再組み立て本学1Fスタジオ)

写真55 ウェディング 再チェック2(本学1Fスタジオ)

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写真55 ウェディング 再チェック2(本学1Fスタジオ)


3−11 衣装パレードとフィッティングチェック

完成した衣装を出演者が着用、アクセサリーや靴、ヘアメイクとも合わせてチェック、調整した(写真57)。

写真57 衣装パレード 女官(兵庫県立芸術文化センター)

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写真57 衣装パレード 女官(兵庫県立芸術文化センター)

3−12 リハーサル  

2008年1月18日(金)は、リハーサルである。学生たちは早朝から会場に集合し、役割担当別に作業を開始した。スタッフ間の連絡、衣装の修正やまとめなどを行い、学生たちはてきぱきと作業にあたった (写真58)(写真59) (写真60) (写真61)。

写真58 リハーサル ポーシャ(兵庫県立芸術文化センター舞台裏)

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写真58 リハーサル ポーシャ(兵庫県立芸術文化センター舞台裏)

写真60 リハーサル 妖精の女王(兵庫県立芸術文化センター)

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写真60 リハーサル 妖精の女王(兵庫県立芸術文化センター)

写真59 リハーサル 結婚式(兵庫県立芸術文化センター)

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写真59 リハーサル 結婚式(兵庫県立芸術文化センター)



写真61 リハーサル 王妃(兵庫県立芸術文化センター)

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写真61 リハーサル 王妃(兵庫県立芸術文化センター)

3−13 本番 

2008年1月19日(土)、20日(日)は、いよいよ本番の日である。スタッフは会場である兵庫県立芸術文化センターに集合。出演者の衣装着付けのサポートや本番前の衣装チェック、楽屋作業室にてアイロンがけや修正、まとめなど、ぎりぎりまで最終確認作業を行った。
上演は1日一回、2日間にわたったが、両日で1600名の座席数がある。しかし公演前にはすでに入場チケットは完売しており満席であった。
公演は大成功であった。終了後、学生たちには、最後までやりきったという満足感と充実感がみなぎっていた。長くつらかったことも吹き飛んだ様子が垣間見え、うれしくも、またたくましくも思えた(写真62)(写真63) (写真64) (写真65)(写真66) (写真67) (写真68)(写真69) (写真70) (写真71)(写真72) (写真73) (写真74) (写真75)。

写真62 最終作業1(兵庫県立芸術文化センター楽屋)

写真62 最終作業1(兵庫県立芸術文化センター楽屋) 

写真64 最終作業3(兵庫県立芸術文化センター楽屋)

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写真64 最終作業3(兵庫県立芸術文化センター楽屋)

写真63 最終作業2(兵庫県立芸術文化センター楽屋)

写真63 最終作業2(兵庫県立芸術文化センター楽屋)



写真65 最終作業4(兵庫県立芸術文化センター楽屋)

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写真65 最終作業4(兵庫県立芸術文化センター楽屋)

写真67 出番前最終チェック(兵庫県立芸術文化センター)

写真67 出番前最終チェック(兵庫県立芸術文化センター)

写真66 小道具類(兵庫県立芸術文化センター舞台裏)

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写真66 小道具類(兵庫県立芸術文化センター舞台裏)



写真68 舞踏会(兵庫県立芸術文化センター)

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写真68 舞踏会(兵庫県立芸術文化センター)

写真70 エラと侍従(兵庫県立芸術文化センター楽屋)

写真70 エラと侍従(兵庫県立芸術文化センター楽屋)

写真69 4人家族(兵庫県立芸術文化センター楽屋)

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写真69 4人家族(兵庫県立芸術文化センター楽屋)



写真71 女官たち(兵庫県立芸術文化センター楽屋)

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写真71 女官たち(兵庫県立芸術文化センター楽屋)

写真73 公演終了後、出演者と共に(兵庫県立芸術文化センター楽屋)

写真73 公演終了後、出演者と共に(兵庫県立芸術文化センター楽屋)

写真72 公演終了後、出演者ご挨拶(兵庫県立芸術文化エントランスホール)

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写真72 公演終了後、出演者ご挨拶(兵庫県立芸術文化エントランスホール)



写真74 本学プロジェクトチーム(兵庫県立芸術文化センターエントランス)

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写真74 本学プロジェクトチーム(兵庫県立芸術文化センターエントランス)

写真75 エピローグ 出演者、スタッフ全員舞台上へ(兵庫県立芸術文化センター)

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写真75 エピローグ 出演者、スタッフ全員舞台上へ(兵庫県立芸術文化センター)



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サラン:塩化ビニリデン系の合成繊維で製品の商標名である。
トワル:フランス語で英語ではトワール。 用途は雑多。パターン組み立てやドレーピングに使用する平織り綿布のことをいう