論文|THESIS

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ココロのカタチ

Shape of mind


志茂 浩和 

SHIMO, HIROYASU Associate Professor,Department of Media Arts,School of Progressive Arts





はじめに

 少子化の影響で廃校になり、今は影も形もなくなってしまった小学校の屋上から私たちは未来都市を眺めることができた。1970年の日本万国博覧会である。私たちは屋上に集まっては各国・各企業のパビリオンからの戦利品を見せ合いながらどんな話をしていたのだろう?今となってはあと二人はいたはずのメンバーの名前すら思い出せないが、万博研究会と称していたことだけは明確な記憶として当時の雰囲気とともに私の中に刻み込まれている。そして万博のテーマは「人類の進歩と調和」である。それから40年近くの歳月が流れた現在。コンピューターの一般化により世界は進歩したという一面はあるが、調和という言葉の前に「人類の」という主語を置こうとするとかなり居心地が悪いはずだ。所詮お祭りのテーマを真に受けるというわけでもないのだが、未来に想いを馳せる子供の心には意外に根付いたりするものだとも思う。幻想と言い放ってしまうこともできるが、理想を掲げてあがく者がいなくては困る。かといって、私が後者かというとそうでもない。何か有効な約束事でもない限り憎悪の連鎖で紛争はやまず、利権の追求で破壊も止まらないと思う。多分誰一人、たいしたことはできない。しかし、それは何をやっても無駄ということとも違うと考えたい。アニメーションを制作する意義を求めた場合には、そんなことも考える。単なる妄想かも知れないが、私の作品制作の根底をなんとなく支えているのは、果たしてこの先、人類が本質的に進歩し、調和したりすることがあるのだろうか?という興味であり、私たちに続く世代への期待である。


図1 MEKARATEの中の1シーン。主人公が見る夢。この後、コンピューターを支えきれなくなり、クラッシュしてしまう。道具として使いこなしているというより、格闘しているという私自身の状態を表現している。

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WINDOWS MEDIA START図1
MEKARATEの中の1シーン。
主人公が見る夢。この後、コンピューターを支えきれなくなり、クラッシュしてしまう。道具として使いこなしているというより、格闘しているという私自身の状態を表現している。


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