5 まとめ

 eapは、イーブンというキーワードを通して、さまざまな人たちが年齢や障害の有無を超えて、コミュニケーションをとりながら、ともに何かを作り出すところに特徴がある。その主旨を汲んで、2006年度は、市民参加型のワークショップの提案とアウトサイダーアートのビジネス化を実施した。今回、企画したワークショップの目的は、本プロジェクトの特徴を参加者に実感してもらうことと、その様子を見た人々にも本プロジェクトの楽しさや魅力を伝えることであった。
 ワークショップでは、布あそびワークショップ「さかなをつくろう!」を実施し、展示やファッションショーだけでなく、参加型イベントの実施によって、イーブン・アート・プロジェクトが共感とともに理解されていくことを目指した。また今年は、新たにちびたんプロジェクトも誕生した。一過性のデザインに終わるのではなく、愛情という普遍的要素をデザインに組み込み、親と子、教員と学生、学生と子供、それぞれの思いをTシャツのデザインに託した。このプロジェクトは、大変好評で来年も継続する予定である。
 みっくすさいだーは、念願であったデザイン教育と福祉とビジネスが融合したモデルケースとして、ドラフト!5により、デビューした。すぐに大きな利益に直結するビジネスではないが、過去のデザインやビジネス、福祉の概念とは、異なる新たな視点を見出せたと考える。決して良いとはいえない現在の社会状況下において、社会が求めているデザインとは何か。人々は、どのような生活を営みたいのか。ユニバーサル社会の実現を目指して、次世代の学生たちに大いに新しい企画を考えてもらいたい。本プロジェクトの参加者は以下のとおりである。

<参加学生> <参加学生>
有賀聖晃、池本愛、井上裕文、江面望美、大森沙和子、河波舞、西慶子、村井綾子、左古田友美子、松下恭子、田中希代子、吉村安代、浅野由希子、有村真由子、呉民恵、山田未奈実、 陰山奈津子、河西真子、島本英則、鈴木迪子、曽川敬介、常次由莉、鳥居さおり、橋本奏子、 伴亜利紗、真継薫、山本まり子、吉田知代、雀惠正、乾文恵、田尻千絵、井上貴博、谷本愛、 中西菜帆、林美里、渡辺千佳、朴チャリミ 合計 37名

<指導教員>
見寺貞子、谷口文保、瀬能徹、柊伸江、韓先林

注・引用文献

*1―
神戸芸術工科大学紀要芸術工学2006(報告)
「イーブン・アート・プロジェクト」によるデザインへの実践教育に関する研究
−ユニバーサルデザインを視点としたモノ・コトづくり−参照
*2―
アウトサイダーアート
特に芸術の専門的な教育や訓練を受けず、無欲のままに自然に表現した作品のこと。障害を持つ人だけでなく正式な美術教育を受けていない人、子どもや高齢者などの芸術も含む。語源はフランスの画家ジャン・デュビュッフェ(Jean Dubuffet:1901-1985年)がつくったフランス語「アール・ブリュット(Art Brut)」(生の芸術)と言われている。
*3―
エイブルアート
さまざまな障害を持つ人たちが生み出す作品のこと。「可能性の芸術」としてとらえられ、エイブルアート、ワンダー・アート、ボーダーレス・アートなどとも呼ばれる。また、障害を持つ人たちが社会につながりを持つための手がかりとしてエイブルアートを支援しようとする市民活動などもある。
*4―
Luna-es original handmade
ルナレス・オリジナルハンドメイド。大阪北堀江にある雑貨と手芸材料のお店。オーナーは本学卒業生の2人。
*5―
ドラフト!5
主催:ドラフト!実行委員会((財)神戸ファッション協会、兵庫県、神戸市、ドラフト参加ショップ代表)
共催:神戸ファッションマート
*6―
大丸
株式会社大丸。日本を代表する大手百貨店の一つ。
*7―
on the couch(オン・ザ・カウチ) 株式会社シティーヒルのブランドの一つ。レディースヤングカジュアルの企画製造小売業。


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