2 布あそびワークショップ「さかなをつくろう!」 

図2 「さかなをつくろう!」ワークショップ

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図2 「さかなをつくろう!」ワークショップ

 こうべユニバーサルデザインフェア2006が2006年8月19日(日)、ハーバーランドスペースシアターで開催された。eapは、市民参加型の布あそびワークショップ「さかなをつくろう!」を企画実施した(図2)。今回、企画したワークショップの目的は、さまざまな人々が年齢や障害の有無を超えて、一緒に何かを作り出すところに特徴がある。そうした本プロジェクトの特徴を参加者に実感してもらうこととその様子を見た人々にも本プロジェクトの楽しさや魅力を伝えることである。役割分担と企画内容およびスケジュールは以下のとおりである。


2−1 ワークショップの概要


写真4 参加者にワークショップの説明

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写真4 ワークショップの様子

2−1−1 コンセプト
 ワークショップのコンセプトは、「子どもを中心に誰でも参加できるワークショップにすること」、「一人一人が自分の作品を作ることが可能なテーマであること」、「最終的に大きな共同制作作品として完成すること」、「神戸らしいテーマであること」、「造形的にシンプルで制作が容易であること」、「イベント終了後持ち帰れる作品となること」などに配慮して検討した。ミシンなど制作技術の問題は、大学生スタッフの対応チームを配置することで解決した。その結果、参加者ひとりひとりが布を用いて「さかな」を制作し、「海」に見立てた青色ボードに展示する。多種多様な「さかな」が集まることで豊かな「海」が完成し「港とファッションのまち神戸」を象徴する共同制作作品の制作とした。ひとりでは出来ないことでもみんなでやれば出来る。本ワークショップを通じて、誰でもデザイナー・アーティストになれることを体験してもらおうという企画である(写真4)。


2−1−2 役割分担
 役割分担は、全体進行:谷口文保、運営指揮:柊伸江、全体サポート:見寺貞子、瀬能徹、大学生スタッフ配置:作業補助スタッフ(13名)、技術補助スタッフ/ミシン対応チーム・縫い取り対応チーム・参加者対応チーム:(6名)、撮影スタッフ:カメラ2名、ビデオ2名、合計23名 ワークショップ市民参加者は38名であった。


2−1−3 プログラム内容
7/20(木):ワークショップ説明会・・・スタッフ全員でさかなを作り、内容の検討と見直し
8/17(木):ワークショップ準備・・・材料、備品、ブルーボードの手配
8/18(金):ワークショップ材料の搬入日
8/19(土):こうべUDフェア2006・布あそびワークショップ「さかなをつくろう!」本番


2−1−4 制作プロセス
1.布表にさかなの絵を描いてもらう(写真5)。
2.アイロンで色を定着させる。
3.裏側の布を選び、2枚一緒に布を切る(写真6)(写真7)。
4.2枚の布をミシンで縫い合わせる(写真8)。
5.布の間に綿を入れる(写真9)。
6.仕上げに綿入れ口を縫う。
7.さかなにリボンやボタンでおめかしをして出来上がり(写真10)(写真11)。
8.ブルーボードの上にさかなを付け、水族館を作る(写真12)。
9.水族館完成!(写真13)

<必要な道具> アイロン、アイロン台、ミシン、断ちばさみ
<材料> 布用クレヨン、トワル(絵を描く)、古着・古布(裏布)、綿、ボタン、ひも、リボン
材料には身のまわりにある古着などを使うことで、ぬいぐるみへの愛着やぬくもりも増し、資源の再利用にも貢献する。

写真7 さかなの形にカッティング

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写真7 さかなの形にカッティング

写真5 さかなの絵を描く子供たち

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写真5 さかなの絵を描く子供たち

写真6 裏布選び

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写真6 裏布選び


写真10 仕上げでおめかし

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写真10 仕上げでおめかし

写真8 ミシンでの縫い合わせ

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写真8 ミシンでの縫い合わせ

写真9 中に綿をつめましょう

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写真9 中に綿をつめましょう


写真13 完成!

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写真13 完成!

写真11 さかなの出来上がり

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写真11 さかなの出来上がり

写真12 みんなで水族館をつくりましょう

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写真12 みんなで水族館をつくりましょう


 


2−2 実施結果と反省


 当日参加の方も含めて約38名の参加者があった。参加者は幼児、小学生を中心に親子参加が多かった。知的障害の方にもご家族とともに参加していただいた。スタッフは教員4名、大学生23名で対応した。当初予定していた以上に当日参加者が増えて大変な盛り上がりとなった。あらためてこうしたフェアにおいて参加型イベントの効果を実感することとなった。共同制作作品が完成した後、ステージで今回のワークショップの主旨を説明してプログラムを完了した。
 反省点は2点ある。「対応人数を超えた参加希望者が発生し、一部運営に無理が生じたこと」、「フェア全体との連携の模索がもっと出来たかもしれないこと」であった。「対応人数の超過」については、簡易で楽しいプログラムの実現によって当日参加者が予想以上に増加したことに原因が求められる。我々スタッフの「より多くの方に参加していただきたい」という思いがこうした結果を招いたと言えるが、充実した内容を実現するためには適切な参加者数の調整が必要であったと反省している。当日参加の調整について事前に準備しておく必要があった。「フェア全体との連携」についても課題が残った。会場ステージでのシンポジウムや発表が同時進行になり、ワークショップでのマイク使用が制限される場面があった。これはフェア全体の計画調整が不十分であったためである。また多数の関連企業・団体の参加があっただけに、もっと組織的に呼びかけができれば参加者の事前申し込みも増えたと思われる。他の団体との連携によるワークショップの検討も可能であったかもしれない。こうした経験を次回に活かしていきたい。


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