報告|REPORT

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4.工房館およびショップのデザイン

4−1.概要
 

図4 旧来住邸と播州織工房館およびシャツショップの位置 

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図4 旧来住邸と播州織工房館およびシャツショップの位置 

 工房館およびショップは、中心市街地の歴史的景観を保持しつつ、そこに新たな都市的機能を導入することによって、この一帯を西脇の織物産業活性化の拠点地域とすることを意図して計画された。対象地域の中心には国登録の有形文化財である「旧来住家住宅」が位置し、現在では一般の見学者に開放されると共に、西脇TMOが中心になって運営する展覧会や公開講座など様々な地域行事にも積極的に活用されて、地域づくりのための重要な活動拠点となっている。2006年3月には、本学のファッションデザイン学科による播州織ファッションショーと展示会もここで開催された。
 しかしながら、地域一帯の活性化を図るには、「旧来住家住宅」の存在だけでは充分ではない。もしもこの地域の中にさらに多くの活動拠点を設けることができれば、複数の拠点間に人々の流れが生まれ、歴史性のある地域のまちなみの良さを、より多くの人々に認識してもらえるであろう。また、それらの拠点での活動に地域内外の人々が関わるならば、伝統に裏付けられた現代の播州織の価値が、いっそうの広がりをもって発信されると考えられる。
 そのような考え方に基づき、工房館とショップという2つの新たな拠点施設がつくられることになった。これらは共に、地域内の既存建築物を改修利用するものとして構想され、実際に賃貸可能な物件として選定されたのが、中心市街地内にある「旧織物工場『丸貞』」と「西脇家政高等専修学校の旧調理室棟」の2つの建物である。


写真20 旧織物工場「丸貞」改修前の状況写真 

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写真20 旧織物工場「丸貞」改修前の状況写真 

 「旧織物工場『丸貞』」は、西脇市内にいくつか残る「のこぎり屋根」を特徴とした播州織の全盛期を象徴する木造の機織り工場のひとつである。改修前には駐車場として仮利用されていたが、ここを今回「播州織工房館」と名付け、播州織などを生かした工芸品の制作場として整備することになった。多くの天窓を有する広々とした空間は、様々なイベントにも活用できると考えられた。


写真21 旧織物工場「丸貞」改修前の内観写真

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写真21 旧織物工場「丸貞」改修前の内観写真

写真22 家政専修学校改修前の状況写真 

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写真22 家政専修学校改修前の状況写真  

 「西脇家政高等専修学校の旧調理室棟」は、専修学校の別棟として建てられ、かつては制作室や調理室として利用されていた建物である。現在は、学校としての利用はされておらず、瓦屋根の一部を透明波板に張り替えた温室に改装されている。この建物の付近には「旧来住家住宅」につながる疎水が流れており、ここを若者向けのシャツショップに改修することで、「ふれ逢い鯉ロード」と名付けられた疎水沿いの道に、新たな散策ポイントが生まれることになる。

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