2:調査方法

 韓国慶尚北道安東郡豊川面河回洞に位置する河回村は、約600年前に両班と農民たちにより形成されたといわれる代表的な班村である。最盛期には300戸あった民家は150戸程度に減ったが、現在も李朝時代の田園風景を伝える貴重な文化遺産である。ここには幸い現在も住民が居住し続けているため、集落・建築をはじめ、家具類、民族衣装、楽器、祭礼等、様々なデザインが残されている。しかしながら、一部の文化財を除いては詳細かつ網羅的な調査が未だ行われていないのが現状である。したがって本研究では、これらの多様なデザインについて実測調査及び聞き取り調査を行い、3ヵ国が有する各デザイン専門分野から調査分析を加えることで、総合的なデータベースを構築することを意図している。
 幹事校となった韓国釜山にある東西大学に2006年8月7日午後3時、中国北京理工大学のメンバーと共に本学学生教員が集合し、3大学参加者全員の初顔合わせ後、5時にはバスで現地へ向けて出発した。夜8時に無事現地に到着し、2ヵ所の「民泊」に分宿し、クーラーもバスタブもない昔からの生活を2日間体験しつつ調査を行った。幹事校の担当者には、民泊の主人や保存協会の方々からの聞き取り調査、それに「仮面劇」上演など、こちらからの無理な要求も聞き入れていただき、有意義な2日間の調査が実施できた。具体的な調査は、1)建築と集落、2)家具と生活用具、3)仮面劇、4)3D制作、の4項目に分け、それぞれには各大学のスタッフが参加する混成チームで調査した。本稿では1)〜3)までを報告する。



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