図5-1 みついけプロジェクトのまちなみ。南から北を望む(写真:齊木、2007)

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図5-1 みついけプロジェクトのまちなみ。南から北を望む(写真:齊木、2007)


図5-2 右手に舞多聞まちづくり館、左手にみついけ南プロジェクトを望む(写真:齊木、2007)

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図5-2 右手に舞多聞まちづくり館、左手にみついけ南プロジェクトを望む(写真:齊木、2007)


図5-3 舞多聞とその周辺を望む(写真:都市再生機構、2007)

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図5-3 舞多聞とその周辺を望む(写真:都市再生機構、2007)

5|まとめ−「ガーデンシティ舞多聞」の課題


5−1 みついけプロジェクトの課題


 みついけプロジェクトは、宅地引き渡しから5年以内の入居が求められており、2007年度内には8割の入居が見込まれている。また、研究室サポートの住まいづくりは9件中5件が完成し、4件は2007年度内完成の予定であるが、引き続き、これまでの経験を生かしながら、固有価値を持った「舞多聞型」の住まいづくりを目指していく。研究室サポート以外の住まいづくりに対しては、まちづくりアドバイザーとしてのコミュニティ単位の一体的なデザインのアドバイス、そして、舞多聞建築ネットワークにおける建築家による住まいづくりのサポートや、お隣やお向かいとの良好な関係を目指す住まいづくりの調整等が求められている。
 また、向こう三軒両隣を基礎単位としたa〜gの各コミュニティの代表による「みついけ役員会」(協定運営委員会)は2年目を迎えた。まちづくりアドバイザーからは、初めの2年間は7名全員の留任を示唆したが、事情により、3名が交代した。しかし、委員長を始めとする4名が留任したことにより、コミュニティマネージメントの経験が持続され、将来へと引き継がれる手法が確立されつつある。国土交通省の「エリアマネジメントの推進に向けた実施団体の募集」の採択を契機として、都市機構や大学、まちづくりアドバイザー(齊木)のサポートを得ながら、コミュニティが自立し、「みついけ南」や近隣商業施設と連携しながら、いかにして固有価値を持った質の高い居住環境へと熟成させるか、が課題となる。(図5-1)


5−2 みついけ南プロジェクトの課題


 第1工区のみついけプロジェクトに続くみついけ南プロジェクトでは、都市機構と大学のサポートによりコミュニティがつくられ、2007年春に宅地引き渡しが行われたグループ申込型宅地分譲エリアの他に、民間ディベロッパーによる住宅が供給されるエリアと、一般宅地分譲エリアがある。これら、募集形態の異なる3エリアの住民間で、コミュニティづくりやまちづくりに対する価値観の差が予想される。みついけ南では、こういった価値観の異なる住民同士を、いかにして一つのコミュニティとして連携させるか、という大きな課題を抱えている。先行している、グループ申込型宅地分譲のエリアの住民と世話人が、他の募集形態の異なる2エリアの住民たちを温かく迎え入れ、自らのコミュニティづくりや住まいづくりの経験を通じてリードし、サポートしていく体制が求められているといえる。
 また、みついけプロジェクトとの連携も今後の課題となっているが、「舞多聞まちづくり館」やその背後にある都市計画緑地を拠点とした、「みついけ」「みついけ南」合同の緑地管理ワークショップがスタートし、今後の両者連携によるまちづくりが期待されている。(図5-2)


5−3 舞多聞の課題


 「ガーデンシティ舞多聞」は、現在までに「みついけ」「みついけ南」、そしてそれらをつなぐ立地にある「近隣商業施設」等を含む、「舞多聞東」ゾーンが完成している。ここでは、「みついけ」「みついけ南」との連携に加えて、商業施設との連携も課題となっている。従来の既存のニュータウンでは、住民と商業施設のコミュニティ間の意思の疎通が難しく、営業方針などが住民から受け入れられず、対立関係となる場合も少なくない。「舞多聞」でも、商業施設の営業時間や看板の設置、斜面緑地の管理状態などが、目指すまちの景観と異なることから、住民は役員会を通じて商業施設に改善を求める意見書を提出した。しかし、「舞多聞」の住民は商業施設との共存の道を求めている。今後、「みついけ」と「みついけ南」の住民はそれぞれ自治会設立に向けて動きはじめるが、これらと商業施設をつなぐ主体として考えられているのが「まちづくり協議会」である。それぞれが自立したコミュニティを営みながらも、「舞多聞」全体のまちの質を上げることにおいては同じ立場に立ち、価値観を共有し、連携する「まちづくり協議会」の設立が求められている。
 また、「舞多聞」では、新しい工区が2011年までに順次造成される。ここでは、「みついけ」や「みついけ南」で創出された、「コミュニティづくり」「まちづくり」「住まいづくり」の価値をいかにして新しい工区へと引き継ぐか、が課題となっている。
 さらに、「舞多聞」に隣接した既存ニュータウンや伊川谷の田園集落のコミュニティとの連携も求められている。少子高齢化の時代に入り、これらのコミュニティは衰退の兆しを見せはじめているが、「舞多聞」で蓄積された経験を周辺にも発信し、創出された価値を共有することによって、地域の活性化を図らねばならない。(図5-3)



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