2 提案プロジェクト

2−5 「まちのきおく」プロジェクト

 地下通路の壁面等に、この地域の昔の写真を大きく引き伸ばして張り付け、まちの記憶を再現するプロジェクト。


 図17 アスタくにづか5番館地下通路に設置された「まちのきおく」

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図17 アスタくにづか5番館地下通路に設置された「まちのきおく」

実施プロセス
phase 1: 
まちの人々に広く呼びかけ、震災前までにこの地域で撮影された写真を収集する。写真は、まちの風景や地域での様々な行事に関するものでも良いし、このまちの人々の昔の暮らしぶりを知ることのできるような私的な写真でも良い。
phase 2: 
集めた写真の中からいくつかを選定し、それらを大きく引き伸ばした壁紙を制作して、地下通路の壁面に張り付ける。
phase 3:
いくつかの写真は、固定的な壁紙とはせずにプロジェクタを用いて壁面等に投影する。これについては、「わたしのきもち」プロジェクトと連携して行なうことも考えられる。
phase 4: 
写真の収集は、長期にわたって継続的に行なう。「みんなのたな」プロジェクトと連携して、「きゃらめーる箱」を用いて展示することも可能だし、写真サイズをあまり大きくせずに大橋地下道の広い壁面を用いるなら、非常に多くの写真を張り付けることも可能である。
phase 5: 
このようにして、プロジェクトの初期においては、地下通路のいくつかの場所に集中的に大きな写真を張り付けて、昔のまちのイメージで囲まれた異空間を創り出す。その後は、徐々に収集写真の数を増やして、プロジェクタによる投影や小サイズでの使用により、まちの記憶装置としての地下空間の継続的変容に、できるだけ多くの人々に関わりつづけてもらうようにする。


図18 大橋地下道の長い壁面を利用した「まちのきおく」

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図18 大橋地下道の長い壁面を利用した「まちのきおく」

(解説)
 画像のデジタル化技術の発達により、今日では地域の歴史を映像アーカイブとして保存することが容易にできるようになっている。本プロジェクトでは、直接的には地下通路をデザインするための素材として、昔の写真を収集することを提案しているが、こうした機会に集められた写真データは、この地域の貴重な文化資産になり得るものと考えている。
 映像アーカイブは、単に収集整理されるだけでは意味が乏しく、やはり集めた資料をうまい方法で公開して、人々が自然に共有できる情報としなくてはならない。今回の提案対象である大橋地下道をはじめとした一連の地下通路は、そのような地域情報として映像アーカイブを、日常的に人々の目に触れさせる上で、絶好の場所であるといえる。
 写真資料の収集は継続的に行なうべきで、集められた写真の数が増え、様々な昔の風景を随時公開しつつ地下空間に蓄積してゆけば、地下の通路空間自体が、文字通りまちの記憶の保管庫(アーカイブ)としての公共的な役割を果たすことになるであろう。


図19 大橋地下道に設置する「まちのきおく」+「みんなのたな」

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図19 大橋地下道に設置する「まちのきおく」+「みんなのたな」



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