報告|REPORT

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「イーブン・アート・プロジェクト」によるデザインへの実践教育に関する研究−ユニバーサルを視点としたモノ・コトづくり−

A Study of the Practical Training for Design in the Even Art Project


見寺貞子

MITERA, Sadako Professor, Department of Fashion and Textile Design, School of Design


柊 伸江

HIIRAGI, Nobue Research Associate, Department of Fashion and Textile Design, School of Design


畠健太郎

HATA, Kentaro Former Technical Staff, Department of Fashion and Textile Design




1 はじめに

 平成7年1月14日の阪神淡路大震災は、多数の人の意識と行動に変化をもたらした。ごく当たり前に営んできた日常生活がはかなくも崩壊し、非日常ともいえる生活を強いられた。当時、デザインを志す本校では、各学科教員を中心に、震災後の神戸の街を調査し記録に留めようとする「震災に関するワークショップ」が設けられた。そして、その調査から、地域、仲間、コミュニケーション、デザインの本質・役割・再生などデザインに対する新たな課題が見出された。ファッションデザイン分野においても、感性豊かな衣服を中心した服飾関連商品を市場に提供するだけではなく、性別、年齢、障害の有無に関わらず、より多くの人たちが快適に日常生活を営むことができる商品と環境の提案が必要であると再確認された。
  近年、社会のメディアでは、ユニバーサルデザインという概念が注目され、商品開発の視点となっている。しかし、ユニバーサルデザインは、世間一般にはまだ高齢者・障害者専用と思われ、本来のユニバーサル(すべての人が快適に)という意味での社会への普及に至っていない。その原因のひとつとしてはユニバーサルデザインの「専門化」が考えられる。今後ますます少子高齢化が進む日本において、本当の意味でのユニバーサルデザインとは何なのか、より多くの人たちがユニバーサルについて体験し考えることが必要ではなかろうか。震災10年目を迎え、デザインを志す学生とともに「ユニバーサル」について考え、デザイン教育としての可能性を見出したいと考えた。
  本報は、震災10年後の平成17年、神戸で開催された第3回ユニバーサルデザイン全国大会において、芸工大の教職員約50名で設立したイーブン・アート・プロジェクトの活動内容およびその教育効果を報告するものである。



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