図1-3-1 「ガーデンシティ舞多聞」の運営体制概念図(齊木研究室作成)

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図1-3-1 「ガーデンシティ舞多聞」の運営体制概念図(齊木研究室作成)


図1-3-2 運営協定委員会のミーティングの風景(写真:齊木研究室 2006.1)

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図1-3-2 運営協定委員会のミーティングの風景(写真:齊木研究室 2006.1)


図1-3-3 コミュニティネットウェアのデザイン案

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図1-3-3 コミュニティネットウェアのデザイン案


図1-3-4 建築ネットワークミーティングの風景(写真:齊木研究室、2005.10)

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図1-3-4 建築ネットワークミーティングの風景(写真:齊木研究室、2005.10)


図1-3-5 エコネットワークの実験(写真:齊木研究室、2005.10)

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図1-3-5 エコネットワークの実験(写真:齊木研究室、2005.10)


図1-3-6 住民の手によるエコネットワークの活動計画図

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図1-3-6 住民の手によるエコネットワークの活動計画図

1−3 魅力ある空間デザインと住まう人々の暮らしを持続させるための「コミュニティマネージメント」

 魅力のある空間が持続し、住まう人々が生き生きと暮らしていくためには、自立した持続可能な地域コミュニティづくりを目指した、経済の仕組みを取り込んだ地域コミュニティのマネージメントが必要不可欠である。

(1)「ガーデンシティ舞多聞」の推進体制
 ここで、「ガーデンシティ舞多聞」の推進体制概念図(図1-3-1)について述べる。
 下段のグリーンは、プロジェクトの基本コンセプトである「新・田園都市構想」を指針とし、国交省や地方公共団体の支援を受けながら、都市機構と神戸芸術工科大学によって構成される、「ガーデンシティ舞多聞」の連絡調整会議を示す。
 中段のブルーは、中心に舞多聞の居住者や居住希望者を対象とした「舞多聞倶楽部」を、計画デザイン策定を行う神戸芸術工科大学と、プロジェクト推進事業を行う都市再生機構西日本支社が支え、三者をつなぐ研究代表者(齊木)が、プロジェクトのコーディネーターの役割を担っている。
 上段のオレンジは、「ガーデンシティ舞多聞」の、自立した持続可能なコミュニティづくりをサポートするネットワーク組織である。具体的には、インフォメーションテクノロジーを駆使した「コミュニティネットウェア」、住まいづくりをサポートする「建築ネットワーク」、住み替えをサポートする「住み替えネットワーク」、緑地管理について検討する「グリーンネットワーク」、エコロジカルな暮らしを目指す「エコネットワーク」、が提案されている。
 尚、「舞多聞倶楽部」が住民組織として一人立ちしてからは、神戸芸術工科大学や都市再生機構も、ネットワーク組織の一員となり、「まちづくりアドバイザー」や「メンテナンスサポーター」として、「ガーデンシティ舞多聞」をサポートし続けることになる。

(2)「みついけまちづくり協議会」の設立と「まちづくりアドバイザー」の派遣
 まちづくりのルールを見守る主体として、「協定運営委員会」が2006年1月のコミュニティワークショップで組織化された。委員は、a〜gの各コミュニティから1名づつ選出されている。またこの委員会は、電柱が地中化埋設された時に、管理を行うにあたって組織化が義務付けられている「地中化運営委員会」との兼務になっている。
 委員会は2006年2月より、神戸芸術工科大学大学院棟にて定期的に会合を開き、都市再生機構や神戸芸術工科大学のサポートを受けながら、協定及びガイドラインの運用細則の作成、みついけプロジェクトに隣接して建設されている商業施設に対する意見書の提出(営業時間やサイン計画)、入居予定世帯を対象としたミーティングの開催、等を行っている(図1-3-2)。
 この委員会は自治会の前身でもあるが、コミュニティの質を維持し更なる向上を目的とした「(仮)みついけまちづくり協議会」の設立が提案されている。
 また、現在委員会は、個々の住宅建築が進められている中、「まちづくりアドバイザー」派遣依頼の申請を準備している。アドバイザーは、コミュニティのメンバーが住宅プランを計画するにあたって、お隣同士の住宅や窓の位置、隣地境界付近の仕上げ方、幹線道路に面した通りの一体的なデザインのアドバイスなどを行う。委員会は、既に神戸市の登録アドバイザーであり、みついけプロジェクトのデザイン計画の提案者でもある研究代表者(齊木)を指名した。

(3)ITを駆使したコミュニティネットウェア   
 「みついけプロジェクト」では、インフォメーションテクノロジーを駆使した住民同士のコミュニケーションの促進や、情報のストックを目的としたコミュニティネットウェアの開設が準備されている。
 このシステムはコミュニティが入居後に本格的に始動する予定であるが、当初は大学が運営を支え、一定の時期が経過してからは段階的にコミュニティへと主体を移し、やがてインフォメーションシステムのNPOを設立しコミュニティをサポートすることも考えられている。現在、研究室の呼びかけにより、みついけの入居予定者から3名が名乗りを挙げ、研究室と共に、実現に向けての準備を進めている(図1-3-3)。

(4)舞多聞建築ネットワーク
 研究室では、「舞多聞建築ネットワーク」を組織化した。このネットワークは、「ガーデンシティ舞多聞」の宅地において住まいづくりを行う建て主と、建築家・施工会社との連携をサポートするプログラムである。現在、阪神地区を中心に、「ガーデンシティ舞多聞」のコンセプトに賛同する約40名の建築家と11社の工事会社が登録している(図1-3-4)。
 建築ネットワークでは定期的にサロンを開催し、「ガーデンシティ舞多聞」における今後の建築家の役割についてのディスカッションや、建築家同士の「ネットワーク」の形成を行っている。

(5)舞多聞住み替えネットワーク
 研究室では、不動産会社の協力を得て、「舞多聞住み替えネットワーク」を開始した。これは入居予定者が現在の住まいからみついけへの住み替えをスムーズに行えるようにサポートすることを目的とし、現在の住まいの売却時期や、依頼する不動産会社の選択等に関するアドバイスを行っている。また、ニュータウンから転居する場合、現在居住している不動産を売却するだけではなく、土地を隣の住民に定期借地で提供することも提案している。これにより、売却される土地が細分化され、ニュータウンのさらなる過密を防ぐ役割も果たすことになる。

(6)エコネットワークとグリーンネットワーク
 神戸芸術工科大学のキャンパス内にある約9uの茅葺小屋において、エコロジカルな住まいづくりを目指す「エコネットワーク」と、緑化とみどりの管理についての知識を共有する「グリーンネットワーク」の実験が行われている(図1-3-5)。建物の外壁の杉の焼板など、工業生産品では得られない風合いや、防火性能、そしてリサイクル性に着目し、天然素材が用いられた。また、古新聞を原材料とした断熱材、植物油を主成分とした塗装剤などが、実験的に用いられている。茅葺小屋の前の小道には古タイヤを原材料としたインターロックを敷設している。この素材は、入居者の同意を得て、セットバックの歩道の仕上げ材に採用されている。
 茅葺小屋と小道の間にはグリーンネットワークの活動の一環として、「手入れの簡単な芝生」「日影に強い芝生」の敷設実験が行われ、公開講座やワークショップでは、みどりの専門家を招き、地域に植生している樹木についての解説や、その管理方法などのレクチャーが行われている。
 エコネットワークやグリーンネットワークではメンバーが中心となり、今後の活動(体験学習、見学会、勉強会)の企画、会報やガイドブックの作成の方針についてのミーティングを行っている。
 2006年6月には、みついけの住民3世帯を中心としたエコネットワーク(みついけエコ倶楽部)の第1回目の会合が、神戸芸術工科大学大学院棟で開かれ、今後の活動方針について議論された。活動内容としては、堆肥づくりやシイタケづくりなどの体験学習、里山などの見学会、園芸や池の環境保全などの勉強会が提案されている。また、活動内容の記録のために、会報の配布やエコブックの作成、前記のコミュニティネットウェアを活用した広報や、情報の蓄積などについても検討された(図1-3-6)。



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