図1-1-0 みついけプロジェクトの3つの課題

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図1-1-0 みついけプロジェクトの3つの課題


図1-1-1 旧ゴルフ場の尾根線と谷線を確認する。

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図1-1-1 旧ゴルフ場の尾根線と谷線を確認する。


図1-1-2 みついけプロジェクトの完成予想図(CG:ヒメネス)

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図1-1-2 みついけプロジェクトの完成予想図(CG:ヒメネス)


図1-1-3 みついけプロジェクトの緑地分布図

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図1-1-3 みついけプロジェクトの緑地分布図


図1-1-4 敷地と建物が一体化した住宅デザインの提案(CG作成:ヒメネス)

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図1-1-4 敷地と建物が一体化した住宅デザインの提案(CG作成:ヒメネス)


図1-1-5 商業施設の斜面緑地の保全・活用モデルの提案(作成:下田、上原)

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図1-1-5 商業施設の斜面緑地の保全・活用モデルの提案(作成:下田、上原)


図1-1-6 商業施設の斜面緑地の保全・活用モデルの提案(作成:下田、上原)

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図1-1-6 商業施設の斜面緑地の保全・活用モデルの提案(作成:下田、上原)

1.ニューガーデンシティ「みついけプロジェクト」実践のための3つの課題

「住まいづくり」「コミュニティのルールづくり」「まちのネットワークづくり」
 新・田園都市国際会議での成果と、研究代表者らがこれまでに携わってきた集落研究、里づくり、まちづくりの実践とを照らし合わせ、「ガーデンシティ舞多聞」みついけプロジェクトの課題を、(1)「住む人が誇りを持てる魅力のある空間デザイン」、(2)「住まう人々が居住環境に関する価値観を共有できるコミュニティデザイン」、(3)「魅力ある空間デザインと住まう人々の暮らしを持続させるためのマネージメントのシステムのデザイン」とした(図1-1-0)。


1−1 住む人が誇りを持てる魅力のある「居住空間のデザイン」

 持続可能な地域コミュニティづくりを実現するためには、住む人が誇りを持てるような、魅力のある空間デザインを提案しなくてはならない。

(1)「ガーデンシティ舞多聞」のマスタープラン(図1-1-1、2)
 みついけプロジェクトの工区は以前、都市再生機構が中高層の集合住宅地として計画していたが、都市機構が展開している「新・郊外居住」の実践例として、「新・田園都市構想」を採り入れたまちづくりが実現することになった。
 研究室は、まず「ガーデンシティ舞多聞」の計画地と類似した地形をもつ、中世から続く近隣の集落「多井畑(たいのはた)」をスタディした。建物の配置構成、敷地の割り方、入口の分布、道路のパターン、庭や緑地の分布が確認された。
 続いて、ゴルフ場跡地の地形と植生の調査を行い、「新・田園都市構想」のコンセプトを念頭に、神戸市の舞子地域の伝統的な地形の「環境単位」の概念を採り入れた。地形や水系の構成を読み、土地改変を出来るだけ抑え、次いで周辺地域の既存集落に倣った適正規模のコミュニティづくりや、視覚的価値を持つ空間の共有と歩行者のネットワークづくり等を考慮した。これらのプロセスにより、土地に敬意をはらう道路計画と、多様な規模と立地条件を持つ宅地割りとマスタープランを提案した。

(2)斜面緑地の確保と緑の管理
 工区内には以前から兵庫県の環境アセスメントにより、北側のゴルフ場当時の斜面緑地と南西部にある溜池とその周辺の緑地の保全が義務付けられていたが、加えて中央部の斜面緑地と街区公園とその周辺の緑地も残し、北側の保全林は宅地内に取り込み、居住者による維持管理を提案し採用した(図1-1-3)。

(3)定期借地権を活用した地域コミュニティづくり
 居住者が「質の高い居住環境を共有する」という意識を持つことを目的に、一般定期借地権制度が採用された。それにより平均約700u(約215坪)のゆとりある宅地の使用が廉価で提供可能となった。このことにより居住希望者は団塊の世代を中心に20代〜80代の多様な年齢層で構成された。

(4)敷地と建物が一体化した住宅デザインの提案
 今日の日本のニュータウンで計画されている敷地の多くは、建物と分離して供給されている。また、その上には量産住宅が建てられる場合が多く、結果的に均質的で無個性なまちなみになっている。「みついけプロジェクト」では、質の高い景観を持つ既存集落の建物の配置などを調査し、宅地と建物が一体となった配置計画を提案した。また、住宅のデザインは、地域の風土に適応して生き続けている農村集落の民家や町家の屋敷構えを調査し、「舞多聞型」の住宅とその集まり方のデザインの提案を試みている(図1-1-4)。

(5)商業施設の斜面緑地の保全・活用モデルの提案
 みついけプロジェクトに隣接した商業施設の東側に、ゴルフ場時代からの緑地が残された。齊木、ヒメネス、下田、上原は、この緑地の保全・活用モデルの提案を行った。現地調査の結果、この緑地は自然度と人との関係性の度合いにより、1)保護エリア、2)保全エリア、3)管理エリア、4)創造エリア、の4種類に分類され、また、この緑地は環境と景観の多様性を有していることから「人と自然の結節点」として機能する、と仮説した。前記の4つの属性に基づき、それぞれの期待される将来像(イメージ)、管理内容、期待されるアクティビティ、生体的機能について、提案及び定義を行っている。特に、自然度は低いが、人間の手によって創られる余地を残した4)創造エリアにおいては、住民参加による生垣の植栽等を提案している。また、立ち入りの可能な2)保全エリアにおいては、ウッドデッキやベンチとテーブルを配置し、商業施設との関係性をつくることにより、店舗利用と緑地利用の相乗効果を提案した(図1-1-5、6)。



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