2.評価検証

2-4 作品『ideas ahead 2010』の評価

評価の前に、本作品の内容について簡単に紹介しておきたい。

2-4-1 設定
時代設定は、2010年以降のユビキタスネットワークが張り巡らされた社会であることを前提にしている。情報通信機器のスペックとしては、社会の至る所に配置されたICタグから必要に応じて情報を入手できることをネットワーク端末の基本仕様としており、そういった端末を用いることで、ユーザーは自身にとって有用な情報を、必要な時に、その場所で入手し活用できる環境が成立していることを社会的な背景とした。

2-4-2 ストーリー
ストーリーは、タレントを目指す一人の女性のデビューに至るまでを描いており、ヒロインや他の登場人物が用いる日常的な情報機器からオーディションに用いられる様々な装置まで、多くの情報・通信・AV機器が人々の情報行為をサポートしている状況を描いている。

2-4-3 登場する未来の機器
ここで、登場する未来の情報・通信・AV機器について、主なものを整理しておきたい。

1:カード型モバイル端末(ヒロインのモバイルツール 図−1)
クレジットカードほどのサイズの、透明な素材で出来た薄型のディスプレイ。このカードは、ICタグなどの情報発信源にかざす事で情報を読み取り、その内容を表示できる装置とした。

2:スマートウォールTV(作曲家の居室の壁面大型モニター 図−2)
オンエアの放送/各種メディア内の蓄積データ/インターネット上のデータなど、あらゆる情報を一元的に管理するシステムを用いて情報を表示する。基本操作は音声と手や腕などのしぐさで行う。

図1:カード型モバイル端末

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図1:カード型モバイル端末

図2:スマートウォールTV

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図2:スマートウォールTV


3:ペーパーディスプレイ(作曲家が用いる簡易モニター 図−3)
紙のように薄い表示装置で、丸めて持ち歩くことも可能。上記2のシステムに命じて情報を転送し表示させる。

4:ロボティクスホーム(作曲家/デザイナーの自宅のホームオートメーションシステム 図−4)
エネルギー管理やスケジュール管理といった継続的な内容から、空調や給湯などの調整まで、自律的な判断もしくはユーザーによる指示により、一軒の家を丸ごとコントロール/マネジメントできるシステム。

図3:ペーパーディスプレイ

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図3:ペーパーディスプレイ

図4:ロボティクスホーム

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図4:ロボティクスホーム


5:情報ブレスレット(ヒロインが用いるデータストレージ 図−5)
個人認証が必要な時に、認証装置に対し対応するデータ形式でIDを出力する。

6:姿見コンピュータ(服飾デザイナーが用いる、デザインワークためのシステム 図−6)
人物/衣類を等身大で表示できる大型の表示装置に、衣類をデザインするためのアプリケーションの他、テレビ電話やロボティクスホームなど様々なソフトウェアを必要に応じて表示させ用いる。デザインワークには、あらゆる物から色彩やテクスチャの情報をキャプチャしデジタルデータ化できるピックアップペンを用いる。

図5:情報ブレスレット

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図5:情報ブレスレット

図6:姿見コンピュータ

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図6:姿見コンピュータ


7:移動体コンピュータ(プロデューサーの乗る自動車に搭載されているネットワーク端末 図−7)
複数のアプリケーションを同時に立ち上げ、ある目的を達成させるために折り合いをつけつつ処理を進めていく。本編の映像では、スケジューラの内容変更/フライトチケット予約/ホテル宿泊予約/関連する相手先への連絡などを平行して処理している。



図7:移動体コンピュータ

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図7:移動体コンピュータ




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