2.評価検証

2-2-3 数量化III類による成分抽出

表2:単純集計表

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表2:単純集計表


表3:並べ替え表

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表3:並べ替え表


表4:散布図

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表4:散布図

アンケート調査に用いた23のアイデアについて、数量化III類を用いて少数の成分への要約を行う。表-2はアンケート結果を単純集計により図表化したものであり、その並べ替えを試みたものが表-3である。


並べ替え作業は、まずサンプルに対し、回答者の明確な属性である年齢差により、左を高齢層として並べ替えに取り組んだ。プロットした時点で、中心より左にかけてはYESの回答を示す●が多く、中心より右は●が疎らになる傾向が見て取れた。左側に位置する回答者は、多くのアイデア項目に対し『必要性あり』と判断しているが、右側に位置する回答者はそれほどの必要性を感じていないことが顕わとなり、この傾向が、年齢差による並べ替えによって表れたものであることを考慮すると、情報リテラシーの差がある程度影響しているのではないかと考えられる。

さらにカテゴリーについて、サンプルとの相関関係を1に近づけることを考慮し、左上から右下へと並ぶように配置し、結果として『使いやすさ』をイメージさせる四つの成分を見出すことが出来た。散布図を描くために必要な軸については、カテゴリースコアの第1軸は、情報活用や情報機器操作のリテラシーの差による軸と言えそうだ。また第2軸は、具体的な操作方法を求める志向性と、心理的な要素を求める志向性とで分ける軸と判断できる。この第1軸を横軸に、第2軸を縦軸にとって図表化したのが表−4である。

●成分A
この成分を構成する項目は、【操作ボタンが少ない/操作の回数が少ない/操作の画面がシンプル】であり、ここから、機器単体に対しての【操作の実質的な簡便性】が求められているのだと理解できる。この成分が抽出されたのは、しごく順当な結果であったと言えよう。
●成分B
この成分を構成する項目は、【機器を買い換えても操作方法が同じ/操作の方法が共通している/他社の製品でも操作方法が共通】であり、ここでは複数の機器を通じての【操作方法の標準化】が求められている。ユーザーインタフェースにおいても標準化は特に重要な方法論であるが、アンケートへの回答に対してもこれほど色濃く反映されることになるとは、筆者にとって予想の範囲外であった。
●成分C
この成分を構成する項目は、【操作方法を習う必要が無い/操作方法が、なんとなく予想できる】である。近未来を予見し映像化するコンテンツのためのデザイン指針としては、登場する未来機器の操作に既存/既知の方法を継承するのではなく、新たな操作作法の考案と、その使い方が容易に理解できる表現が必要。ここでは理解を導くための表現手法としてアフォーダンスやメタファを用い、考案した新しい操作に相応しいメタファの発見と表現により、操作の学習を不要とするような、新しい操作作法を追求すべきと考えたい。
●成分D
この成分を構成する項目は、【使う機能が、自分にとって必要であること/操作すること自体に楽しみがある/その機器に愛着があること】であり、ここからは【機器を使う時の心理的な要素】が求められていることがわかる。他のカテゴリーの何れをも支持しなかった情報リテラシーの高い層が、この成分は肯定していたことからも、機器の操作にはこうした心情的な部分が求められると考えて良さそうだ。単なるマン−マシンインタフェースではなく、人と機器との関係性、つまりインタラクションにまで踏み込んだ表現が必要であることが見て取れる。


2-3 評価軸の想定

以上の結果から、今回は以下の4項目について、それを表現し得たか否かで自身の作品を評価したい。
●成分A
操作の実質的な簡便性を表現しているか
●成分B
複数の機器の操作方法を標準化しているか
●成分C
操作作法の表現にアフォーダンスやメタファを活用しているか
●成分D
機器を使う時の心理的な要素を考慮しているか。



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