報告|REPORT

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文様構図の起源と進化III 一シルクロードにおける文様の変遷(中国の影響)一

The Origin and Development in the Composition of Symbols
Transformation of Motifs along the Silk Road (the Chinese influence)


山ロ惠子

YAMAGUCHI, Keiko Professor, Department of Fashion and Textile Design


松本美保子

MATSUMOTO, Mihoko Professor, Department of Fashion and Textile Design


川北健雄

KAWAKITA,Takeo Associate Professor, Department of Environmental Design


玉川絵理

TAMAGAWA, Eri Research Associate, Graduate School of Design Research


董 紅羽

Dong, Hongyu Instructor, Design & Art School of Beijing Institute of Technology




1-はじめに

文様の中には、世界各地で愛され、大変好まれた文様がある。それはテキスタイルの模様だけでなく、陶磁器の文様や建造物の装飾文様として時代と文化、時間と空間を移動し進化を見せ、なお現在も昔と同じように人々から愛され、好まれている文様である。
われわれの研究チームは2002年度、西アジアを発祥とする[ペーズリー文様]の進化をテーマにし、ペルシャ帝国時代の文化を引き継いでいるイランにおいて、気候・風土や宗教、生活文化や環境の中で文様の調査を行い、大きな意義と成果をあげる事が出来た。その調査の過程で、ペーズリー文様とほぼ同じ意味を持ち、起源を古代エジプトまで遡る事が出来る大変古い文様[命の文様]の進化の過程に遭遇する事になった。[命の文様]には、更なる進化の過程で、幾つかの文様に分類されるようになるのであるが、それらの文様の中の一一つに、イスラム文化の中で様式化されその後シルクロードを通って中国に入り、中国文化と出会って更に進化し、終着駅の日本に到達した[唐草文様]に着目 した。

莫高窟 96窟(初唐)

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図 莫高窟 96窟(初唐)


[唐草文様]は、シルクロード通過の過程で仏教と出会い、仏教と共に中国に入ったとも言われている。敦煙莫高窟はシルクロードの広域路上に位置しており、仏教の通過点でもあった。時代的には唐代、初唐、盛唐、中唐、晩唐、五代・宋・元まで7西紀〜14西紀にかけて700年余りの東西文化の流れを一同に見る事の出来る大変重要なポイントでもあり、研究者の間では「唐草の宝庫」と以前から呼ばれている。本研究では、中国における古来からの文様と唐草文様の出会いを調査し、シルクロード伝来の影響を「文様」を切り口に研究し、東西文化圏の交流状態の分析を行った。



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