表-1  喜多方建物用途・建築年代対照表

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表-1 喜多方建物用途・建築年代対照表


図-3  喜多方建築年代地図

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図-3 喜多方建築年代地図


図-4  喜多方用途図 建物用途地図

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図-4 喜多方 建物用途地図


資料-1  喜多方連続立面写真

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資料-1 喜多方連続立面写真


写真-3  蔵のまち喜多方を象徴する蔵造建築(18.19)

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写真-3 蔵のまち喜多方を象徴する蔵造建築(18.19)


写真-4  空家から空地へと変化 街並みの連続性が断たれた(14)

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写真-4 空家から空地へと変化 街並みの連続性が断たれた(14)


    写真-5  酒造蔵を利用したギャラリー「モーツァルト」

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写真-5 酒造蔵を利用したギャラリー「モーツァルト」


写真-6 喜多方のまちづくりの核として蔵を利用して作られた「町づくり寄り合い所」(38)

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写真-6 喜多方のまちづくりの核として蔵を利用して作られた「町づくり寄り合い所」(38)

3.福島県喜多方市南町通り地区における変容

1)喜多方の概要
近世、会津藩領であった喜多方は、中心部に早くから市が開かれ、物資の集散地として発達した。江戸時代中期頃には、在郷町の町並みが形成された。その名残りをとどめる南町通り地区は、現在も数棟大きな商家が立ち並び、造り酒屋や醸造業、麹販売店等が現在も営業している。
喜多方の町並みの特徴である蔵造りは、漆器蔵や酒造蔵として普及した。また、座敷蔵、住居蔵など人の居住空間としても利用されてきたのが特徴的な点である。(写真−3)
今回調査対象とした南町通り地区は、同じ歴史的市街地でありながら、近年喜多方ラーメンを中心として観光化が進み、街並みも整備されつつある中央通り地区とは異なり、観光化されておらず店舗も連続していない。居住地としての性格が強くなりつつある地区であるといえる。

2)調査結果の分析
現地調査から判明した建物の用途と建築年代を表-1にまとめた。また、図-3は通りに面した建物の建築年代と構造種別を表したものであり、図-4は同様に現状の用途別に色分けしたものである。ただし、本調査はあくまでも通り沿いの街並みを評価することを意図したものであるため、図-3・図-4とも、通りに面した建物の建築年代・構造種別あるいは用途で全体を代表させている。したがって敷地の奥に連なる部分の建築年代や用途は必ずしもこの色分け通りではない。

(1)空き家・空地化の状況
空き家・空地化の現状を調べると、対象敷地において通りに面した全棟数は36棟、このうち空き家は4棟(調査番号1,2,23,28)で、全体に占める割合(空き家率)は11.1%であった。一方、通りに面した全敷地数42箇所に対し、空地は6(9,14,22,25,32,39)箇所で、全体に占める割合(空地率)は14.3%である。
1979年に行われた前回の調査と比較すると、上記の空き家4棟はいずれもこの25年間に空き家になったものであり、そのうち店舗から空き家になったものが2棟(1,2)、住居から空き家になったものが2棟(23,28)であった。一方、建物が取り壊されて空地となった敷地は5箇所(14,22,25,32,39)、そのうち3箇所(14,25,32、写真−4)は駐車場となっていた。他に、敷地が分割されて駐車場になったものが1箇所(9)、逆に前回調査時に唯一の空地であった敷地(10)には住居が建てられていた。

(2)建物の用途変化の状況
前回調査と比較すると、建物の用途が変化したと考えられるものは18棟(空地への変化、空地からの変化は含まず)で、これは全42敷地に対して42.9%を占める。また建物が空地に変化したものも加えると24敷地で何らかの用途変更があったことになり、これは全42敷地(調査番号9は含まない)のうちの57.1%にあたる。
用途ごとの数をみてみると、店舗が18棟から9棟へと半減したのに対し、住居は13棟から14棟へとほぼ横ばいの状態で、倉庫は6棟から2棟へと減少した。一方、事務所は1棟から3棟へ、その他は3棟から5棟へと増加している。
ただし、住居の数はほぼ横ばいの14棟であったとはいえ、元から住居だったものがそのまま残った例は半数の7棟(3,20,26,27,34,37-1,40)にすぎず、残りの7棟のうちの4棟(17,24,33,37-2)は店舗が閉店して住居化した、いわば消極的な変化の産物である。また住居が用途を転じた6棟(16,22,23,28,29,32)をみると、このうち過半数の4棟(22,23,28,32)は空き家や空地への消極的な変化であった。さらに店舗やその他が空き家や空地に転じたもの5棟(1,2,14,25,39)を加味すれば、消極的な用途変化があったと考えられるものが全部で13棟存在し、これは全42敷地の30.9%、用途変化した建物全体18棟のうちの実に72.2%にあたる。
一方、少ないながらも積極的な用途変化と認められるものも5件(10,16,19,29,38)あり、全42敷地の11.9%、何らかの用途変化があった24敷地の20.8%を占めている。これらは、空地に住居が新たに建設されたり(10)、住居が店舗や事務所に変化したり(16,29)、倉庫がギャラリー(写真−5)やまちづくりの核となる施設(「町づくり寄り合い所」写真−6)に変化したもの(19,38)などである。

(3)建築年代についての考察
建築年代については、前回の調査時から変化せずに維持されているものが全41棟中の34棟(82.9%)と多くを占め、それ以外は滅失5(14,22,25,32,39)、建替え2(13,30)、空地への新築1(10)であり、用途の変化に比べて建物の変化は少ない。
また、2棟の江戸期の建築を含む19棟の明治以前の建築は17棟(89.5%)が残されているのに対し、大正以降の建築は20棟中14棟(70%)にとどまり、古いもののほうがよく残っていることが判明した。また、蔵造りの建物12棟はすべて保存されていることが注目される。



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